先日、担当しているマーケティングの公式LINEにて、限定無料ライブを1本配信し、終了後24時間で売上100万円を超えました。申込みは75件。
私は販売設計の担当として、企画から配信、決済導線までを一緒に組みました。
結果だけを見ると、話し手のセールス力が優れていたように見えるかもしれません。
ただ、勝負はライブが始まる前に、ほとんど終わっていました。実際、この施策で最も時間を使ったのは当日のトークではなく、開催前の需要調査と商品設計です。
この記事では、その中身を数字ごと公開します。
- 商品の詳細を決める前に、何を測ったのか
- 「先着◯名」の人数を、どう決めたのか
- 満員後の増枠が、なぜ信用を失わずに済んだのか
- 10,000円の入口商品を、なぜ急きょ追加したのか
前編では「なぜ売れないのか」という原因の切り分けを書きました。この記事はその実践編です。原因側から読みたい方は【公式LINE】無料セミナーで商品が売れない原因は〇〇ですをぜひご覧ください!

もくじ[ タップで開閉 ]
はじめに
「公式LINE限定ライブで、初日売上100万円超」という数字だけが独り歩きしないよう、条件を先に出します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支援先 | 教育系オンラインスクール) |
| 施策 | 公式LINE限定の無料ライブ 1回・約60分 |
| 「興味あり」の反応(先着枠を決めた時点) | 150名 |
| 「興味あり」の反応(最終) | 202名 |
| 先着枠の初期設定 | 50名 |
| 枠が埋まるまで | 初週で満員 |
| 最終の申込数 | 75件 |
| 売上 | ライブ終了後24時間以内に100万円超 |
| 商品(全部入りパッケージ) | 5万円台 |
| 商品(少額プラン) | 10,000円 |
配信では、ターゲット層に合わせて「セミナー」ではなく「ライブ」という言葉を使いました。呼び方ひとつでも、届く層は変わります。
ライブ前の需要調査と、ライブ後24時間の決済導線が生んだ数字です。
次の項目から、具体的な施策の中身についてご説明します。
商品設計の前に需要を測る
今回の施策では、商品の中身をすべて固める前に、公式LINEの登録者へ需要調査を行いました。
やったことは単純です。配信のなかに「興味あり」という趣旨のボタンを1つ置きました。
確認したかったのは「興味を持つ人が実在するか」の一点だけ
この段階では、希望する講義内容も、予算も、参加できる日程も聞いていません。
最優先で確かめたかったのは、次の一点だけでした。
この企画に興味を持つ人が、本当に存在するのか。
ここを確認せずに商品を作り始めると、販売者側の思い込みだけで企画が進みます。反対に、一定数の反応を先に確認できれば、商品を作るという判断に根拠が生まれます。
質問を増やすほど、回答は減る
需要調査というと、本格的なアンケートを想像するかもしれません。しかし販売前の最初の調査で、詳しい情報まで集める必要はありません。
質問数を増やすほど、回答のハードルが上がるからです。
- 詳しく聞くために「自由記述」を入れる
- 複数のセクションに分けて、順番に選んでもらう
- 名前や連絡先を入力してもらう
こうした操作が増えるほど、回答せずに離脱する人が増えます。今回は、ユーザーが考え込まずに反応できるよう、1タップで意思表示できる形に絞りました。
押した人にタグを付けて、見込み客を可視化する
ボタンを押したユーザーには、自動でタグが付くようにしました。これで「興味を示した人」がリスト上で見える状態になります。
もちろん、押した人が全員購入するわけではありません。情報だけ受け取りたい人もいますし、価格を見てから判断したい人もいます。日程が合わない人も出ます。
興味を示すことと、実際にお金を払うことの間には、大きな隔たりがあります。
それでも、何の反応も取らずに販売するより、判断の精度は確実に上がります。たった1つのボタン、たった1つのタグですが、単なるアンケートではありません。
「あの時の1タップ」が購買につながる
「興味ありボタン」には、需要の把握とは別に、もう一つ重要な役割があります。
販売前に、ユーザーへ小さな行動を起こしてもらうことです。

いきなり商品を紹介するのは離脱の原因
何の前段もなく商品を案内されたユーザーは、その場で買うか買わないかを決めなければなりません。これは大きな決断で、精神的にも負荷がかかります。
一方、「興味がある」というボタンを押すだけなら、心理的な負担はほとんどありません。
そこで、ユーザーの行動を一段ずつ設計しました。
- 小さな意思表示をしてもらう — ボタンを押す
- 詳しい情報を確認してもらう — ライブの日程を見る
- 無料ライブへ参加してもらう — 商品説明を聞く
- 商品を検討してもらう — 申込ページを開く
一段目の高さを下げておくと、いきなり購入を求めるよりも自然な流れができます。申込み、購入、成約といった購買行動は、「ボタンを1回押す」という小さな行動から始められます。
ユーザーの興味・反応は告知後も伸び続ける
もう一つ、実際にやって分かったことがあります。
先着枠を決めた時点で「興味あり」の反応は約150名でした。ところが、その後も反応は増え続け、最終的には202名になっています。
需要調査は一度やって終わりではありません。測った時点の数字は、途中経過です。
締切前に一度、最新の反応数を見直してください。初期の数字のまま設計を固定すると、機会損失になります。
先着枠は、反応数の30〜40%で打つ
「先着30名」「50名限定」といった限定コピーは、販売施策の定番です。希少性や締切効果で、早期の申込みを促す狙いがあります。
ただ、この数字は勘で置くものではありません。

今回は150名の約33%で50名と打つ
今回は、まず「興味あり」の反応数を確認しました。そのうえで、確認できた人数の30〜40%を先着ラインに決めています。
先着枠を決めた時点の反応が約150名だったので、その約33%にあたる50名を枠にしました。
このパーセンテージは固定ではありません。主に商品の価格によって上下させます。価格が高いほど、反応から実際の購入に至る割合は下がるためです。
この一手間で、限定コピーが直感ではなく「実際に埋まる可能性の高い数値」になります。
「〇〇名限定」は諸刃の剣
限定コピーで重要なのは、人気があるように見せることではありません。ユーザーに切迫感を持ってもらうことです。
そして、数字を外すと逆に働きます。
購入を検討している人が20人しかいない状況で「50名限定」と伝えれば、その配信はスベります。「50人も集まらなさそうだな」と一度でも察されたら、その後のセールスレターは響きません。
安易に使えば、申込みを後回しにされるどころか、二度と検討してもらえなくなる可能性があります。
増枠が信用を失うかどうかは「残数を偽ったか」で決まります
はい、増枠しています。先着50名は初週で満員になり、最終的な申込みは75件になりました。
ここは誤解されやすい部分なので、はっきり書きます。
私たちがやらなかったこと
限定販売のアプローチは、表面的なテクニックとして使われることがよくあります。たとえば次のようなものです。
- 枠に余裕があるのに「残り10名」と伝える
- 定員に達していないのに「追加募集」と打ち出す
- 「これで最後」と案内した翌日、同じ条件で再び募集する
今回、これらは一切やっていません。
私たちがやったこと
代わりにやったのは、事実をそのまま伝えることだけです。
まず、募集の時点で「お申込み状況によっては予告なく終了する可能性がある」と伝えていました。そのうえで満員になったとき、「想像以上のお申込みをいただきまして、急遽、参加枠を増やしました」と告知しています。
つまり、分岐点は増枠したかどうかではありません。
| 観点 | 信用を失う増枠 | 今回やった増枠 |
|---|---|---|
| 残数の伝え方 | 余裕があるのに「残りわずか」と書く | 実際に満員になってから告知した |
| 増枠の理由 | 伏せる、または触れない | 「想像以上の申込み」と事実を書いた |
| 事前の予告 | なし。突然「追加募集」と出す | 「予告なく終了する可能性」を先に伝えていた |
| 読者から見た状態 | × 話が変わった | ◯ 言ったとおりに進んでいる |
短期的に申込みが増えても、事実と違う案内をすれば信用は削れます。とくに公式LINEは、継続して情報を届ける長期的な資産です。
「このアカウントはウソをついている」と一度でも思われれば、次回以降の案内まで届かなくなります。
- 残数を偽っていないか(余裕があるのに「残りわずか」と書いていないか)
- 増枠の理由を、事実として説明できるか
- 「状況によっては終了する」と事前に伝えてあるか
- 真剣に検討している人ほど、過去の配信を覚えていると想定できているか
高価格帯だけ並べるのはリスク
今回の施策では、「全部入り」のパッケージ商品に加えて、一部のサービスだけを利用できる小さなプランも用意しました。
実は、本来は5万円台のパッケージ商品だけを販売する予定でした。
申込ページを開いた人は、確実に購買意欲がある
申込ページを開くという行動を取る人は、その商品に興味があります。無料ライブの内容にも、満足してくれたはずです。
それでも、初めて利用するサービスへいきなり大きな金額を払うのは不安です。高い商品だけを提示すると、金額だけ見て中身を読まないまま離脱する人が出ます。
そこで、パッケージの一部を切り出し、10,000円の少額プランとして販売しました。
狙いは薄利多売ではなく、一度お金を払って体験してもらうこと
少額プランの目的は、安く売って数を稼ぐことではありません。
一度、実際にお金を払ってサービスを体験してもらうことです。
小さなプランを利用してもらえば、サービスの内容も、講師の質も、運営の対応も、ユーザー自身が確かめられます。すると認識が変わります。
- 変更前:無料で情報を発信しているサービス
- 変更後:実際に利用し、価値を確かめたサービス
少額プランで売っているのは「信頼」
今すぐパッケージ商品を購入しなくても、本格的なサポートが必要になるタイミングは後から訪れます。期限が迫ったとき、自力で行き詰まったとき、悩みがより深刻になったときです。
その瞬間、ユーザーは改めて「どのサービスを使うか」を検討します。
そこで効いてくるのが、少額プランを購入した経験です。一度も使ったことのないサービスより、内容と品質を確かめたサービスのほうが、安心して選べます。
将来、高単価商品を検討してもらうための「信頼」を売る商品です。
まとめ:セミナーで売る方法ではなく、売れる仕組みを先に作る
無料ライブ1本から、24時間で売上100万円を超えました。
繰り返しになりますが、本当の勝負はライブより前に始まっていました。今回つながったのは、次の流れです。
- 需要を測る — 商品を作り込む前に、1タップのボタンで反応の母数を把握する
- 限定数を決める — 反応数の30〜40%を先着枠にする(価格帯で調整)
- 入口を作る — 高価格帯だけで並べず、体験してもらう少額プランを置く
- 熱があるうちに決済まで進める — 申込みと支払いを分断しない
- 締切案内で拾う — 当日に決めきれなかった人を回収する
無料のライブやセミナーは、販売のスタート地点ではありません。事前に作った販売設計を動かすための、ひとつのフックです。
なお、この記事の数字は教育系オンラインスクール事業者1社での実測値です。業種、リストの状態、商品単価が変われば、同じ設計でも結果は変わります。手順ではなく、判断の順番を持ち帰っていただければと思います。
おしらせ
公式LINEの販売導線、一緒に組みます
需要調査の設計、限定数の決め方、入口商品の切り出し方。「集客はできているのに売れない」段階でつまずいている事業者さんは、ハヤラボまでご相談ください。
X(@hayari_lab)のDMからもお受けしています。
