先日、担当しているマーケティングの公式LINEにて、限定無料ライブを1本配信し、終了後24時間で売上100万円を超えました。申込みは75件。

私は販売設計の担当として、企画から配信、決済導線までを一緒に組みました。

結果だけを見ると、話し手のセールス力が優れていたように見えるかもしれません。

ただ、勝負はライブが始まる前に、ほとんど終わっていました。実際、この施策で最も時間を使ったのは当日のトークではなく、開催前の需要調査と商品設計です。

この記事では、その中身を数字ごと公開します。

  • 商品の詳細を決める前に、何を測ったのか
  • 「先着◯名」の人数を、どう決めたのか
  • 満員後の増枠が、なぜ信用を失わずに済んだのか
  • 10,000円の入口商品を、なぜ急きょ追加したのか

前編では「なぜ売れないのか」という原因の切り分けを書きました。この記事はその実践編です。原因側から読みたい方は【公式LINE】無料セミナーで商品が売れない原因は〇〇ですをぜひご覧ください!

もくじ[ タップで開閉 ]
  1. 1まず、施策の条件と結果を開示します
  2. 2商品の詳細を決める前に、「興味あり」ボタンで需要を測りました
  3. 3「興味あり」の1タップは、購買行動の第一歩になります
  4. 4先着枠は、反応数の30〜40%で決めます
  5. 5増枠が信用を失うかどうかは「残数を偽ったか」で決まります
  6. 6高価格帯だけで並べると、金額を見た時点で離脱されます
  7. 7まとめ:セミナーで売る方法ではなく、売れる仕組みを先に作る

はじめに

「どれくらいの規模の話なんですか?」

「公式LINE限定ライブで、初日売上100万円超」という数字だけが独り歩きしないよう、条件を先に出します。

項目内容
支援先教育系オンラインスクール)
施策公式LINE限定の無料ライブ 1回・約60分
「興味あり」の反応(先着枠を決めた時点)150名
「興味あり」の反応(最終)202名
先着枠の初期設定50名
枠が埋まるまで初週で満員
最終の申込数75件
売上ライブ終了後24時間以内に100万円超
商品(全部入りパッケージ)5万円台
商品(少額プラン)10,000円

配信では、ターゲット層に合わせて「セミナー」ではなく「ライブ」という言葉を使いました。呼び方ひとつでも、届く層は変わります。

売上100万円超は、ライブ当日の話術で生まれた数字ではありません
ライブ前の需要調査と、ライブ後24時間の決済導線が生んだ数字です。

次の項目から、具体的な施策の中身についてご説明します。

商品設計の前に需要を測る

「商品を作る前に、何を調べるんですか?」

今回の施策では、商品の中身をすべて固める前に、公式LINEの登録者へ需要調査を行いました。

やったことは単純です。配信のなかに「興味あり」という趣旨のボタンを1つ置きました。

確認したかったのは「興味を持つ人が実在するか」の一点だけ

この段階では、希望する講義内容も、予算も、参加できる日程も聞いていません。

最優先で確かめたかったのは、次の一点だけでした。

この企画に興味を持つ人が、本当に存在するのか。

ここを確認せずに商品を作り始めると、販売者側の思い込みだけで企画が進みます。反対に、一定数の反応を先に確認できれば、商品を作るという判断に根拠が生まれます。

質問を増やすほど、回答は減る

需要調査というと、本格的なアンケートを想像するかもしれません。しかし販売前の最初の調査で、詳しい情報まで集める必要はありません。

質問数を増やすほど、回答のハードルが上がるからです。

  • 詳しく聞くために「自由記述」を入れる
  • 複数のセクションに分けて、順番に選んでもらう
  • 名前や連絡先を入力してもらう

こうした操作が増えるほど、回答せずに離脱する人が増えます。今回は、ユーザーが考え込まずに反応できるよう、1タップで意思表示できる形に絞りました。

ここでつまずきます
「せっかく聞くなら、予算も日程も一緒に聞いてしまおう」と考えたくなります。しかし、それをやると回答数そのものが落ちて、判断材料が手に入りません。需要調査の目的は、詳しい情報を集めることではなく、母数を把握することです。詳細のヒアリングは、反応があった人に対して次のステップで行ってください。

押した人にタグを付けて、見込み客を可視化する

ボタンを押したユーザーには、自動でタグが付くようにしました。これで「興味を示した人」がリスト上で見える状態になります。

もちろん、押した人が全員購入するわけではありません。情報だけ受け取りたい人もいますし、価格を見てから判断したい人もいます。日程が合わない人も出ます。

興味を示すことと、実際にお金を払うことの間には、大きな隔たりがあります。

それでも、何の反応も取らずに販売するより、判断の精度は確実に上がります。たった1つのボタン、たった1つのタグですが、単なるアンケートではありません。

「あの時の1タップ」が購買につながる

「ボタンを押させることに、そんな意味があるんですか?」

「興味ありボタン」には、需要の把握とは別に、もう一つ重要な役割があります。

販売前に、ユーザーへ小さな行動を起こしてもらうことです。

ボタンを押す→日程を確認する→ライブに参加する→申込ページを開く、という購買行動の4段階を階段状に示した図解

いきなり商品を紹介するのは離脱の原因

何の前段もなく商品を案内されたユーザーは、その場で買うか買わないかを決めなければなりません。これは大きな決断で、精神的にも負荷がかかります。

一方、「興味がある」というボタンを押すだけなら、心理的な負担はほとんどありません。

そこで、ユーザーの行動を一段ずつ設計しました。

  1. 小さな意思表示をしてもらう — ボタンを押す
  2. 詳しい情報を確認してもらう — ライブの日程を見る
  3. 無料ライブへ参加してもらう — 商品説明を聞く
  4. 商品を検討してもらう — 申込ページを開く

一段目の高さを下げておくと、いきなり購入を求めるよりも自然な流れができます。申込み、購入、成約といった購買行動は、「ボタンを1回押す」という小さな行動から始められます。

ユーザーの興味・反応は告知後も伸び続ける

もう一つ、実際にやって分かったことがあります。

先着枠を決めた時点で「興味あり」の反応は約150名でした。ところが、その後も反応は増え続け、最終的には202名になっています。

需要調査は一度やって終わりではありません。測った時点の数字は、途中経過です。

需要調査の反応数は、告知が進むほど伸びます
締切前に一度、最新の反応数を見直してください。初期の数字のまま設計を固定すると、機会損失になります。

先着枠は、反応数の30〜40%で打つ

「先着50名という数字は、どうやって決めたんですか?」

「先着30名」「50名限定」といった限定コピーは、販売施策の定番です。希少性や締切効果で、早期の申込みを促す狙いがあります。

ただ、この数字は勘で置くものではありません。

興味ありの反応約150名に30〜40%をかけて先着50名を決める、限定数の逆算手順を示した図解

今回は150名の約33%で50名と打つ

今回は、まず「興味あり」の反応数を確認しました。そのうえで、確認できた人数の30〜40%を先着ラインに決めています。

先着枠を決めた時点の反応が約150名だったので、その約33%にあたる50名を枠にしました。

このパーセンテージは固定ではありません。主に商品の価格によって上下させます。価格が高いほど、反応から実際の購入に至る割合は下がるためです。

この一手間で、限定コピーが直感ではなく「実際に埋まる可能性の高い数値」になります。

「〇〇名限定」は諸刃の剣

限定コピーで重要なのは、人気があるように見せることではありません。ユーザーに切迫感を持ってもらうことです。

そして、数字を外すと逆に働きます。

購入を検討している人が20人しかいない状況で「50名限定」と伝えれば、その配信はスベります。「50人も集まらなさそうだな」と一度でも察されたら、その後のセールスレターは響きません。

安易に使えば、申込みを後回しにされるどころか、二度と検討してもらえなくなる可能性があります。

数字を置く前に、必ず測ってください
限定数は、希少性を演出するための飾りではありません。反応の実数から逆算した「埋まる見込みのある数」です。母数を測らずに「50名限定」と書くことは、当たるかどうか分からない賭けをしているのと同じです。先に需要を測れば、この賭けは計算に変わります。

増枠が信用を失うかどうかは「残数を偽ったか」で決まります

「50名が埋まったのに75件? 結局、追加募集したんですよね?」

はい、増枠しています。先着50名は初週で満員になり、最終的な申込みは75件になりました。

ここは誤解されやすい部分なので、はっきり書きます。

私たちがやらなかったこと

限定販売のアプローチは、表面的なテクニックとして使われることがよくあります。たとえば次のようなものです。

  • 枠に余裕があるのに「残り10名」と伝える
  • 定員に達していないのに「追加募集」と打ち出す
  • 「これで最後」と案内した翌日、同じ条件で再び募集する

今回、これらは一切やっていません。

私たちがやったこと

代わりにやったのは、事実をそのまま伝えることだけです。

まず、募集の時点で「お申込み状況によっては予告なく終了する可能性がある」と伝えていました。そのうえで満員になったとき、「想像以上のお申込みをいただきまして、急遽、参加枠を増やしました」と告知しています。

つまり、分岐点は増枠したかどうかではありません。

観点信用を失う増枠今回やった増枠
残数の伝え方余裕があるのに「残りわずか」と書く実際に満員になってから告知した
増枠の理由伏せる、または触れない「想像以上の申込み」と事実を書いた
事前の予告なし。突然「追加募集」と出す「予告なく終了する可能性」を先に伝えていた
読者から見た状態× 話が変わった◯ 言ったとおりに進んでいる

短期的に申込みが増えても、事実と違う案内をすれば信用は削れます。とくに公式LINEは、継続して情報を届ける長期的な資産です。

「このアカウントはウソをついている」と一度でも思われれば、次回以降の案内まで届かなくなります。

増枠するときの判断基準
  • 残数を偽っていないか(余裕があるのに「残りわずか」と書いていないか)
  • 増枠の理由を、事実として説明できるか
  • 「状況によっては終了する」と事前に伝えてあるか
  • 真剣に検討している人ほど、過去の配信を覚えていると想定できているか

高価格帯だけ並べるのはリスク

「安いプランを作ると、高い方が売れなくなりませんか?」

今回の施策では、「全部入り」のパッケージ商品に加えて、一部のサービスだけを利用できる小さなプランも用意しました。

実は、本来は5万円台のパッケージ商品だけを販売する予定でした。

申込ページを開いた人は、確実に購買意欲がある

申込ページを開くという行動を取る人は、その商品に興味があります。無料ライブの内容にも、満足してくれたはずです。

それでも、初めて利用するサービスへいきなり大きな金額を払うのは不安です。高い商品だけを提示すると、金額だけ見て中身を読まないまま離脱する人が出ます。

そこで、パッケージの一部を切り出し、10,000円の少額プランとして販売しました。

狙いは薄利多売ではなく、一度お金を払って体験してもらうこと

少額プランの目的は、安く売って数を稼ぐことではありません。

一度、実際にお金を払ってサービスを体験してもらうことです。

小さなプランを利用してもらえば、サービスの内容も、講師の質も、運営の対応も、ユーザー自身が確かめられます。すると認識が変わります。

  • 変更前:無料で情報を発信しているサービス
  • 変更後:実際に利用し、価値を確かめたサービス

少額プランで売っているのは「信頼」

今すぐパッケージ商品を購入しなくても、本格的なサポートが必要になるタイミングは後から訪れます。期限が迫ったとき、自力で行き詰まったとき、悩みがより深刻になったときです。

その瞬間、ユーザーは改めて「どのサービスを使うか」を検討します。

そこで効いてくるのが、少額プランを購入した経験です。一度も使ったことのないサービスより、内容と品質を確かめたサービスのほうが、安心して選べます。

少額プランは、安く売るための商品ではありません
将来、高単価商品を検討してもらうための「信頼」を売る商品です。

まとめ:セミナーで売る方法ではなく、売れる仕組みを先に作る

無料ライブ1本から、24時間で売上100万円を超えました。

繰り返しになりますが、本当の勝負はライブより前に始まっていました。今回つながったのは、次の流れです。

  1. 需要を測る — 商品を作り込む前に、1タップのボタンで反応の母数を把握する
  2. 限定数を決める — 反応数の30〜40%を先着枠にする(価格帯で調整)
  3. 入口を作る — 高価格帯だけで並べず、体験してもらう少額プランを置く
  4. 熱があるうちに決済まで進める — 申込みと支払いを分断しない
  5. 締切案内で拾う — 当日に決めきれなかった人を回収する

無料のライブやセミナーは、販売のスタート地点ではありません。事前に作った販売設計を動かすための、ひとつのフックです。

この記事の結論
「このライブでどう売るか」を考えるのではなく、ライブで売れる仕組みを先に作る。 これが今回の結果から得た、いちばん大きな学びです。

なお、この記事の数字は教育系オンラインスクール事業者1社での実測値です。業種、リストの状態、商品単価が変われば、同じ設計でも結果は変わります。手順ではなく、判断の順番を持ち帰っていただければと思います。

おしらせ

公式LINEの販売導線、一緒に組みます

需要調査の設計、限定数の決め方、入口商品の切り出し方。「集客はできているのに売れない」段階でつまずいている事業者さんは、ハヤラボまでご相談ください。
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